株式会社キッズライン（旧株式会社カラーズ） 元最年少上場女性社長。オンラインベビーシッターサービス『キッズライン』を運営 株式会社キッズライン（旧株式会社カラーズ） 代表取締役社長 経沢 香保子　 (2015年12月取材)

楽天 三木谷氏から 学んだこと

聞き手

入社をされて、ほどなくして楽天に入社してらっしゃる。このきっかけは一体？

経沢

なんか実はリクルートで、新規事業とか、１年間営業をやって、コンサルティングとか他の所に行きたかったんですけど、それを上がやっぱりまだ入社したばっかりだからって言って認めてくれなくて、それは仕方がないなと思っていたんですけど、私の中で、なんか違うことをやってみたい気持ちがむくむくと湧いて、たまたま本屋さんで立ち読みをしていたアントレっていうリクルートの雑誌ですけど、楽天市場のインタビューが出ていたんですよ。私はリクルートにいるときからこれからの時代はインターネット、ちょうどiモードが盛んで、紙でやっていることをネットでマッチングしたらもっと効率は良いし、もっと面白いことができるんじゃないかっていう頭の中でイメージを持っていた時に、その三木谷社長のインタビューが、楽天市場っていうのは売りたい人と買いたい人をつなげるマッチングシステムで、不動産のように毎月家賃ももらうってこれは本当に素晴らしいと思って、その日の夜中に思わず吸い込まれるようにエントリーしてしまったんです。

聞き手

でも、その当時だと、もう楽天さんはまだ立ち上がったばっかりですよね。

経沢

そうなんです。祐天寺で、社員も２０人ぐらいで、すごい不安でしたけど、たまたまリクルートの先輩が、そこに入社されていたんですよね。私は最初、履歴書を送ったんですけど、メールで、そのあとに一応手書きでも送って、封書の裏に経沢香保子と書いていれたら、その履歴書を郵便ポストから取ったのが、リクルートの先輩だった。その人が見て、そのまま彼女が三木谷社長のところにこの人取った方がいいですよって言ってくださったんで、一次面接から社長面接で、いつこれるのみたいな感じだったんですよ。

聞き手

すごいですね。

経沢

運が良かったです。

聞き手

それは運が良かったんじゃなくて、自分で引き寄せられたんですよ。頑張った結果が、ちゃんと誰かが見ていて、それがあるからこそ、そうやって引っ張ってくれる人がいる。すごいですね。
最初に三木谷社長にお会いになった時の印象はどうだったんでしょう？

経沢

今はとってもオーラがあるんですけど、私にとっては、始めて見る種類の人だったんですよね。リクルートの時に会っている経営者って、もうちょっと違う飲食とか、証券会社とかで、でもＩＴの社長に会ったのが始めてで、しかもスーツもお召しにならないし、本当に私が面接した時間も夜遅かった。夜遅くまで働いてらっしゃって、社長室もなかったような時代だったので、その時三木谷さんも３５歳くらいだと思うから、なんか社長っていうよりは、そういう人たちと働いていたなって感じではありました。
最初の印象はそういう印象でしたけど、一緒に働いた時に、こんなにすごい執着心のかたまりみたいな人がいるんだってすごく思いました。なんか２４時間仕事のことを考えていて、夜中でも思いついたら電話とかしてくるし、目標に対する執着心がすごいんですよ。あと頭がすごく良くて、私は当時新規事業をやらせてもらっていたんですけど、こういう楽天大学をやってほしいと言われた時に、コンセプトはこうだから、考えているんだみたいなことを元々彼は直感派でそれをロジックで説明、右脳と左脳のホワイトボードみたいな感じで、それが私にとってすごく勉強になったんですよね。だから、今楽天時代に教えて頂いたことを思い出して事業をやっているところがすごくあるので、お給料はとても安くなったんですけど、でも頂いた資産が多分100億ぐらいあるんじゃないかと思うぐらい、とってもいい時期に過ごさせてもらってます。

聞き手

当時はあまり感じられなかったかもしれない。ものすごく頭の良い経営者からかつてない物をつくれという難題を与えられて大変でしたよね。

経沢

とはいえ、三木谷さんって社員のことをめちゃくちゃよく見ていて、つまりそうなことが先に分かったりとか、後は信頼度合いによって任せる度合いを変えたりとか、私実は姉も２人で楽天に働いていて、姉は１０年以上お世話なっていて、私はちょっと短かったんですけどもこないだ三木谷社長とカンファレンスでお会いした時も姉の名前までちゃんと覚えてなんとかちゃんは元気？みたいな感じですごい社員思いなんですよ。あれだけ情報が入って、あれだけの会社を経営されて、あんなに従業員がいても、前辞めた人に対しては、全員楽天のファンでいてほしいって思いがあって、辞める時も楽天のファンでいてくださいって、ちゃんとメールを社員にくれて、それでずっと元気って言ってくださるって本当にいい意味での日本的経営とすごくセンスのある合理的がとてもよくブレンドされたそういう会社を作る所を見れたというのは、本当に財産だと思う。

聞き手

すごい経験ですね。