株式会社オールアバウト 専門家がガイドする日本最大級の総合情報サイト『All About』を運営 株式会社オールアバウト 代表取締役社長 江幡 哲也　 (2013年5月取材)

事業

江幡

事業的な観点で近々目指していることで申し上げると、２つあるんですけど、（１つは）ウェブ＆リアルと言っていまして、ウェブとリアルの両方でやっぱり盤石になりたいんですね。昨今はご存知のようにスマートフォンがほとんどパソコンからのアクセスと同じくらいの量になってきてますから、当然サイトを使うシーンやタイミング、利用目的も変わってきていますよね。そういったことにも対応してスイートなサービスにならなくてはいけない。ということで、ウェブを極めていって知識やノウハウを提供するサイトとしては、圧倒的ナンバーワンになるということに対してはまだまだ道半ば、ということで取り組んでいることが１つです。
もう１つは、我々の基盤は専門家の知恵・ネットワーク・想いですから、この方々が活躍する場所をインターネットだけに閉じるというのは実はもったいないんですよね。現実の場面での活躍の場所を広げていくと言うことをそろそろやっていきたいと思っておりまして、今、インターネット業界でO２O（オートゥーオー）というワードがはやっています。「Offline to Online」、逆に「Online to Offline」。デジタルとリアルの融合という当たり前なのですけれど、それが普通にできるようになってきているので、そういう意味も含めてリアルな場面での活躍場所を広げていく。これもまだ始めたばかり。この２つがあいまって人々がいろんな個人の知や想いがどんどん流通して、それを使って豊かに暮らす人が増えて、自分も自立した活躍をしていこうということが増えていくと、最終的なゴールに向かっていく、そんな思いでやり始めているところです。
根本的にはオールアバウトという基本的な専門家のサイトを、とにかくもっと大きくするといくことが今一番優先順位が高いですね。色々言ったことはすべてそれの派生なんですよね。専門家が活躍する場所だったり、サービスを広げている一環でしかなくて、根幹のオールアバウトを強くすると言うのが一番、今でもプライオリティが高いことですね。

江幡

次に何かと言われると、今やっているのはリアルのサービスについてかなり増やしておりますね。今までは広告のビジネスが主だったんですよね。サイトに多くの人に来ていただいてそこの接点を利用して、広告主様から広告を頂いてお金を頂くと。これがほぼ９割ぐらいの売り上げだったのですが、個人の方から直接お金を頂くサービスを増やしていきたいと思っているんですね。教室ビジネスを支援するビジネスをやったりとか、流通の店頭にデジタルの方から誘客をしていくビジネスをやったりとか、もしくは直接、飲料や食品のメーカーさんの新製品をお試し頂くサンプリングというのがあるんですけど、これを個人の方からお金を頂いてサンプリングをする、ある種、サンプル商品を安く買って頂くというサービスをやったりとか、ということで収益構造も同時に多様化してきている。こんなところが今２番目に注力しているポイントですかね。

江幡

今インターネットの広告は実はすごく大きく変わっていて、ある特定の媒体、例えばオールアバウトに広告を出したいというケースと、インターネット全体が１つの広告媒体であまり媒体関係なくやるケースと２つに分かれているんですね。オールアバウトは２つとも対応していまして、まず前者のオールアバウトに広告を出したいと、媒体指定で広告を出して頂くという媒体は数が少ないんです。テーマや専門家の数をどんどん拡充することで信頼性があるサイトとしてはどちらかというと唯一のサイトなので、いい形でごひいき頂いているかなと。
もう一方の業界全体の潮流として、サイト指定では無くてインターネットのどこに出るか分からないんだけど、というところの場合はどこに出るか分からない仕組み、アドネットワークというテクノロジーがあるのですけど、そこにちゃんとロックインして、我々のところへ広告を出して頂くという構造が必要なんですね。ここについても古くからこの業界の流れ、この４年ぐらい早くからトライしておりまして、かなりこの割合も増えてきていますね。この２つで商売を伸ばさせて頂いているという感じです。

江幡

事業を大きくしていく中でコンセプトは変わらないのですけど、専門家の知恵や詳しい情報を利用頂く、その利用頂くお客様のゾーンとして、グローバル展開というものがあると思っています。１つは日本の情報を欲しがっていらっしゃる海外の方々に届けると。アジアの新興中間層のみなさまに日本の情報をお届けする。日本に来て頂くということがビジネスになりますから、例えば国の官公庁さんがどんどんビジットキャンペーンで日本に来て下さいということで、予算も安倍総理もその辺は強くしていくとおっしゃっていますし、経済産業省がクールジャパンと言うことで日本を売り込んでいくというお手伝いもできますよね。そういったことを中心にやらせて頂いている、そういう感じですね。