株式会社オールアバウト 専門家がガイドする日本最大級の総合情報サイト『All About』を運営 株式会社オールアバウト 代表取締役社長 江幡 哲也　 (2013年5月取材)

歴史

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江幡

大学を出て理系だったのですが、通信自由化の時代に、昭和６２年ですが、リクルートという会社に入りました。もう今からだいぶ前ですね。もともとエンジニアで通信事業の立ち上げを技術部隊の一員としてやっていたのですが、その後、色々なことをやりたいということを思ってですね、入ったわけですけど、ありがたいことに色々な環境を頂けまして事業の立ち上げばかりをやってまいりました。

特にその今で言うITですよね、情報技術とマーケティングが重なるようなところでやってきたと。９３年ぐらいですかね、インターネットというものが世の中にぽつぽつと聞こえ始めた時代で、まだまだ日本には何もなかったですけど、そこも１つ面白い事業のネタかなということで、９５年にはインターネットで「キーマンズネット」を立ち上げて最後にリクルートで９８年、９９年ぐらいにそういう実績があったからかどうかはわかりませんが、インターネットにリクルート全体が対応しないといけないということもあるし、インターネット系も含めて、数多くの事業の戦略や方向性を既存の事業のみなさんと一緒に作ってまとめ上げたというのが仕事としてありました。

ただ元来自分は現場が好きなのでいくつもある事業の方向性の中で、これは自分で絶対やりたいなと思うことがきちんとありまして、今やっているオールアバウトという会社の原型ですが、もともとリクルートの中でやってもいいかなと思ったのですが、そこではなかなか成功するための要素がちょっと足りないということもあったので、であれば独立してやりますよということでリクルートと、アバウトドットコムを運営しているアバウト社から出資を頂いて独立をして始めたというのが２０００年の話です。

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江幡

リクルートも情報で世直しをしている会社だと僕は思っているんですね。今でもそうですが。知らなくて損をすることが多い時代が色々な場面であって、そういうことをどんどんなくしていくことによって色々な領域、業界の不都合な点を直すということでみんながハッピーになるということをやってきている会社なので、もともとリクルート時代からそのような思いはありました。

日本は戦後６０年間ずっと成長してきた土台になるような仕組みや制度、国のあり方などがあったと思うのですね。でもこの頃それが立ち行かなくなってきていると。９５年ぐらいにそう思ったのですが、今から２０年ぐらい前です。これが何かと突き詰めていくと大事なことを国や企業におんぶにだっこになっている構造そのものに問題があるのだろうと思ったところにいきつきまして、すごく大げさですが、個人が少し自立する必要があるというふうに思ったんですね。

すごく大げさにいうと個人が豊かになり、国が豊かになるような感覚です。各分野でその道のプロと言われている個人の方々がいっぱいいる中でそのような方々が活躍する場を広げていくような場を作れれば、個人が自立する一つの入り口になるのではないかなと思っていく中でビジネスを組み立てていったという流れです。

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江幡

インターネットのサービスとしてユーザーを集客するという構造をまず作ることが第一だったんですね。サービスをスタートしたのが２００１年の２月です。

実はGoogleが日本に来たのがちょうど同じタイミングで日本で第一号の提携会社にうちはなっているんですね。当時個人が発信するブログやSNSがなかった時代に、あるのは企業のサイトとリクルートのような情報サービス会社のサイト、そういったものしかなかったんですね。そこに乗ってきて色々な分野でその道のプロの情報がもし提供されれば、検索サイトのGoogleは検索先として重宝するし、我々受け皿としてはユーザーが来ると、こういう構造になると思ったんですね。そういうものが、はまったというのがまず第一ですね。

江幡

もう一つは日本は色々なメディア、やはり日本はテレビ、新聞、雑誌などのマスメディア、この影響力というのは今でも変化はある物のやはりあります。ということで、もう一つ工夫したのは、われわれのパートナーである色々な分野の専門家の人たちを色々なメディアに出していこうということを合わせてやったんですね。

現在、年間３千件程、オールアバウトの専門家として出ていく。朝のワイドショーなどに結構出ていますが、持ちつ持たれつの関係になっているんですね。これがPR的に下支えをしている。インターネット上の構造と世間のメディアでの露出、こういった組み合わせが良かったというのがやったことではないかと思います。