株式会社IBJ 会員数30万人以上。日本初の結婚情報サービスサイトを運営 株式会社IBJ 代表取締役社長 石坂 茂　 (2013年5月取材)

歴史

石坂

大学を卒業して務めたのが銀行でした。合併などで会社が変わる中で、日本にちょうどインターネットやITの事業というのが根付いてきて、それを見ずして、ビジネス人生を送ることができないなと思い、その後も複合的な要因があって起業することになりました。

なぜ婚活事業になったのかといいますと、一つは情報と情報をネットを活用してエクスチェンジ、マッチングするということを自分の事業にしたいと思いました。情報にきちんと課金ができる、価値があって課金ができるビジネスをやりたいと思っていたところから、スタートしました。

自分自身も合コンの幹事をしたり、友人のとりもち、マッチングをしたりということがもともと好きだったので、この分野は私に向いていると確信しました。

起業する前から現在に至るまで、個人的にも人と人を紹介してマッチングする。幸せになる人を見るというのは、ずっと一貫して楽しいと思っています。

古くから職業として認知はされていたのですが、組織や仕組みとして確立されていませんでした。なので、私がイメージするリアルとネットの複合型の業態を展開すれば、確実にその分野で新しいものを生み出してやっていけると感じました。

我々はもちろん、サービス分野をやっているのですが、人の手によるサービスという発想が強かったことと、ネット上に自分のプロフィールを掲載するということに（今は当たり前になっていますが）、その当時はまだ相当抵抗感が強かったのです。新規性もあって、我が社は先を読む形でスタートできたのだと思っています。

石坂

ネットのサービスだけでは完結していない部分があります。人が関わる部分で。あきらかに婚活サイトよりも、結婚相談所の方が成婚率は高いのです。各地域でキーパーソンとういうかこの人であれば、理想的な結婚相談サービスをやっていけるだろうという人を見つけていったのです。

そういった人たちを切り口にして、１件１件歩いて見つけていったというのがはじめの状況です。ただ、うちのシステムが良いものだというので共感してくだされば、その方は知り合いの同業者を連れてきてくれたり、また、別の結婚相談所のオーナーを連れてきてくれるといった感じで、広まり、それが現在の８５０社、９００社近くになっているという状況です。

石坂

起業して最初はネットの結婚情報サービスだけやっていました。その段階でYahoo！様からお声掛けいただいて、Yahoo！の婚活プロパティを作ることになったのですが、自分が作ってきたサービスが日本最大のメディアであるYahoo！の中で展開するという事は、非常に素晴らしいことだと思いまして、それで１００％子会社になりました。

当時Yahoo！の中ではインターネットの完結型でやることを希望されていたのですが、私がイメージしていたリアルとネットを組合わせた展開というのは、Yahoo！グループの中でできなかったものですから、Yahoo！の事業を軌道に乗せた後に、もう一度独立するというお話しをしました。快く受け入れてくださり、一度売却した会社をまた買い戻すという会社は後にも先にもないと言われたのですが、実現したお陰で現在の会社があります。

石坂

これまでの事業者様は一極集中というか、一つのサービスに特化した事業が多かったのですが、それを総合展開するところに我々の会社の価値があります。現在街コンや合コンのセッティング、他にも婚活シェアハウスなども最近は出てきていますが、出会いの形が多様化するというのは、今までサービスを利用していなかった方々を取り込むことができて、チャレンジさせる機会にもなるので、結果的には成婚数のアップにつながると思います。

石坂

アナログな業界だったので、インターネットを主体としたシステムを提供するのは、最初は抵抗感がありました。ネットやシステムというのはツールに過ぎない、実際のサービス提供というのは、今までの通りだということを、丁寧に説明したことと、仲人さん、結婚相談所のオーナーさん、婚活サービスを提供するみなさんが、今までのサービスに基づいたシステムの構築を心がけてきたので、それが、受け入れられる要因になっていると思います。

もう一つは、当時結婚相談所もネットを活用して集客するにはどうしたらいいかと、みんな考えていました。そういったことも含めて我々たトータルパッケージで、アドバイスしたり、提案することで、一歩一歩信頼を積み上げてきたという経緯があります。

以前は受け入れられなかったのですが、必ずどこかでお役に立てる、また受け入れてもらえるだろうと確信していましたので、そういった情熱や確信も大切ではないかと思います。