Vol.1 歴史
インタビュー内容
歴史
渡部
私がオムロンに在職したのは約16年間。割と自由に仕事をさせてもらって、それがオムロンという会社のいいところで、まだ創業者社長がいらっしゃる頃で「ベンチャースピリット」というを盛んに言われていて、その雰囲気の中で仕事をしていたんですけど。
オムロンの時は通常の職種ではなくて、事業部スタッフとしていわゆる企画関係の仕事をしているんですよね。最後に担当していたのがコネクタという地味な事業部の企画をやっていたのですが、コネクタというのは、地味といったのは業界が狭いんですよね。当時で市場規模が3000億くらいだったと思うのですが。
3000億の市場規模の中で暴れ回ると、すぐに有名になってしまう。有名になってしまったおかげでハンティングされたというのが実態です。外資系にハンティングされて3年間エグゼクティブの生活をやっていたのですが、外資系ですから長くは勤めることができないということもあり、最初からある程度の期間ということを思っていたのですが。
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渡部
外資系はご存じの通り給料は当面良いですから。少し貯金もできたというので、かつての念願だった独立をやってみよう、ということで独立したのが39歳の時。
もともと独立志向が非常に強い仕事の仕方をオムロンではやっていましたね。オムロンというのは制御機器という大きな事業部があって、情報系という事業部があって、それは駅の券売機だとかATMの装置だとか、そういう格好良い製品を作っている。僕は第3の事業部のグループで、言ってみれば非主流の日の当たらない部門の企画だったんですね。ですからある意味では好きな事をやって、世の中にないものを作り上げていくという創業者精神がもともと必要とされる事業部にずっと僕はいたので、そういう志向が強かった、というのがありますね。
外資系を全く知らずにいきなりものづくりのメーカーからスピンアウトすると、どうしてもプロダクトにこだわるんですね。楽しいんですよね。物を開発する、製造するという行為は非常に楽しい行為なんですけど、あまりマーケットを見ないというかね、ビジネスモデルをあまり深く考えない。要するにいいものを作って、安いものを作って、優れたものを作ったらバンバン売れるんだという発想ですね。アメリカは違う。全く逆で、マーケット・オリエンテッドといって、マーケットがどう思うのか、何を供給すべきなのか、どういう物の、形を、どんなふうに提供するのが良いのか、というビジネスモデルから入っていくんです。
弊社もどちらかというとものを作っていませんので、そういう意味ではわれわれの視点はあくまでも今はマーケットにおいて、そこから色々な発想をしていくというふうに会社はやっていますね。
渡部
あまり人の真似をしたくないというのがあって、人の真似をしていたのでは圧倒的なチャンピオンになれない。世の中ですでに認知されていて、ある顧客層を獲得しているようなビジネスに関して、後から追いかけていってやるという戦略はあまり取っていません。
「私どもの製品は安くていいんですよ」という売り方よりも、「世の中はこうなっているのでお宅はこういうものを買うべきですよ」という形で勧めていく事が僕は多いですね。「世の中こう変わっていくんです。インターネットが普及するとこうなるんです」、相手に色々な物を教えながら、啓蒙しながら売っていく、そういうスタンスを常に取ろうとしていますね。
経営者プロフィール
| 氏名 | 渡部 進 |
|---|---|
| 役職 | 代表取締役 |
| 生年月日 | 1949年1月19日 |
| 出身地 | 滋賀県 |
| 座右の銘 | 人の世に商いのネタの尽きることなし |
| 愛読書 | ギリシャ古典 |
会社概要
| 社名 | 株式会社ネットワークバリューコンポネンツ |
|---|---|
| 本社所在地 | 神奈川県横須賀市小川町14-1 ニッセイ横須賀センタービル |
| 設立 | 1990 |
| 業種分類 | 卸売業 |
| 代表者名 | 渡部 進 |
| 従業員数 | 88 名 |
| WEBサイト | http://www.nvc.co.jp/ |
| 事業概要 | ネットワーク関連商品の輸入、開発、販売とサポート及びネットワークインテグレーションが主な事業。顧客先に常駐して運用・監視する業務受託サービスがあり。 |