株式会社アイリス ボタン製造世界シェアトップ。シャネルやバーバリーなど名だたる海外ブランドも使用 株式会社アイリス 代表取締役 大隅 洋　 (2016年4月取材)

渡米の決断と アイリス入社

大隅

私はもっともキツイと言われている、ヤングカジュアルのイクシーズという部門の営業に配属されまして、同期の中でもお前がイクシーズと、そのくらい驚きをもって扱われましたね。ただ非常に楽しかったですかね。

通常はバイヤーさんがね、商品の選択をされるんですが、イクシーズというのは、営業員が自分が担当する百貨店の半年分の商品を自分で発注するんです。で、ご存じかどうかわからないんですが、イクシーズというのは、大型店になると、衣料品だけでなくて、自転車まで、鞄からシャープペンからハンカチから、いわゆる大学生の生活を満たす物をすべて扱うブランドだったので、１日は服を徹夜で選んで、もう一日は周辺商品を徹夜で選ぶと、自分で選んだ商品を自分の担当する売り場に持って行って、売って頂くわけだから、非常に楽しくさせて頂いて。

大隅

これからというところで、ちょうどまる４年ですかね、父から一族の中で、英語を話せる人間がいないと、これからは海外での仕事ということもあるので、英語を話すためにすぐに会社を辞めて、アメリカに留学をしなさいと、半ば命令だったんです。
かなり悩んだんですが、やはりサラリーマンでいるよりも当然社長が約束されているわけではありませんが、可能性としては非常に高いわけですので、思い立って辞めまして、ニューヨークに留学に行きました。

大隅

元々英語は嫌いなんです。なんで私が英語を話す必要があるのかな、好きな奴が話せばいいじゃんとそういう感覚だったので、非常に大変だったんですが。ほぼ１年かけて、TOEFLが７５０だったかな、になるまで、受け続けて、ニューヨーク大学にある英語学校がるんですが、そちらに初級から入って、中の上ぐらいまで行ったのかな。

で、なんとかＴＯＥＦＬが合格点まで行って、晴れて２年前からＦＩＴというファッション工科大学に入学した。まあ業界の方はご存じのファッション専門の学校なんですが、そちらに入学しまして、そこは短大なんですがね、普通の１８歳の子でしたら、２年で卒業されるんですが、私の場合には夜の授業も取れば、一般教養は必要ないということで、１年で卒業できるということだったんで、なんとか１年で、卒業して改めてアイリスへ戻ってきたという形になります。

大隅

やはりね、会社の他の社員からすると、腫れものにさわるような扱いは当然ありますので、やはりいきなり営業員として、営業部に配属というのはできなかったようなんです。私も４年他人の飯を営業員として食べてますので、正直自分会社のレベルはむしろ低いと見てましたから、いくらでもと思いましたけど、やはり何か失敗でもすると大変じゃないですか。

なかなか配属は営業という形ではなくて、初めは一応経営管理しとは言っているんですが、正直上司が率先して、会議の準備をされるお手伝い。机を並べて灰皿をきれいにして、資料をきれいに並べて、そのうちその並べる資料を自分で作れと、どちらかと言うと、一営業部の内容ではなくてアイリス全体の数字を把握するような資料作りということをずっと下積みでさせていただいたので、そこは勉強になったと思います。

大隅

そういった仕事を何年かした後に、晴れて、営業部に２年かな、その後、岐阜の営業所に２年。戻ってきて、ほとんどすぐに大体２年づつ。ようやく３６ぐらいで課長になったとおもうんですが、あとは２年づつぐらいで部長、専務、で、４３で社長になりまして、今１３年目になります。