株式会社パソナ　パソナキャリアカンパニー 人材紹介事業において、業界トップクラスの実績を誇る 株式会社パソナ　パソナキャリアカンパニー カンパニープレジデント （代表者） 渡辺 尚　 (2013年2月取材)

プライベート

渡辺

私がどうして今のポジションにいるかというと、その一つはおそらく育った環境と読書だと思うんです。育った環境が家が小さいながら経営者でしたので常に会社を経営している父親母親の姿を見てきたんですね。ですから新入社員で会社に入った時でもですね、経営者として物を考えるように私はしててですね、サラリーマン的な小さなことでくよくよしている同僚を見ると「これがサラリーマンか」みたいな感覚だったんです。あともう一つは、もの凄い数の本をこれまで読んできました。そのきっかけというのは大学に入った時に、うちの母親がクレジットカードを渡してくれて、４年間このクレジットカードで本をどれだけ買ってもいいからということで、本読み放題だったんです。本当に本屋さんに行っても本はタダなわけですから、本当はタダじゃないんですけど、うちの親が払っていたんですけど、自分にとってはタダなので、図書館から本を借りるような感覚で、そのクレジットカードでどんどん本を買いましてね、いっぱい読んだんですね。人間というのは頭の中に知識が入っていないと、そのことについて考える事ができないんです。その色々な知識が例えば経営者の自伝もたくさん読みましたし、色々な考え方の本ですとか、歴史の本も読んでですね、自分の中で考えることができるようになったんですね。やっぱり人間というのは、本から学ぶか、人と会って人から学ぶか、体験して学ぶかの三つなんですけれども、そういうインプット、勉強してきたのが自分の中では大きいですね。その中で自分自身の経営の方向ですとか、スタイルみたいなものを確立していったのだと思います。潜在意識にいっぱい入っているんだと思います。色々な物が。

渡辺

私の座右の銘は「思った事は実現する」「言葉に出した事は実現する」「紙に書いた事は実現する」という三つを会社のクレドカードにも載せているんです。

渡辺

再就職支援の事業を立ち上げましたので、これまで数千名の５０代と面談をしているんですね。５０代の方というのは３０年以上働いていますので、職務経歴を見ると、その人の人生が順調だったのかどうかもわかるわけじゃないですか。この人は出世しているなとかね。この人はあまり出世していない人生を送っているなとかですね。人生がうまく行っていない人は凄く似ているなということに気付いてきたんです。人生がうまくいっていない人に共通の特徴というのはですね、会話の中にマイナスの言葉や否定語がとっても多いんですね。その元となる感情のほうもご不満を持ちやすかったり、ものすごく心配性だったり、姿勢が斜めだったりとかですね、何かマイナスのものを抱えてらっしゃるんです。一方会社の中でも順調な人生を歩んだ方というのは、会話の中にマイナスの言葉や否定語というのがあまり出てこないんですね。感謝していますし、皆さん明るいですし。ですから人生を良くしたければ、言葉をプラスにし、考え方をプラスにし、本当にそれだけなのではないかと考えています。
私の価値観として人生の意味なんですけれども、人生の目的というのは、一生かけて心を成長させることにあるのではないかと。そこで新入社員研修でも話している事は、人生の目的というのは三つありますと。一つは「一生かけて心を成長させること」です。人間というのは死ぬまで一生かけて心を成長していき、もし次の人生というものがあるのであれば、そこからまたスタートできるのではないか、だんだん階段をのぼっていくような人生を歩んで行くのではないかと考えています。二つ目は「自分の時間と才能を人を喜ばすことに使うこと」。自分の損得だけに使わずに、人を喜ばすことに使うことによって、それが自分に返ってくると思うんです。三つ目は「人生の宿題をやり遂げる」ということです。何か人それぞれ、持って生まれた宿題のようなものがあると思うんですね。それを各自気付いて、一生かけてそれをやり遂げていくような、単にお給料稼いでおいしいものを食べて、遊びに行くだけで死んでいく、じゃもったいないですよね。やっぱり何かやり遂げて死んでいく、それを自分の中で見つけて「私は人生の最終目標としてこれをやっていくんだ」というものをですね、全員が持てると良いなと考えています。

渡辺

本当に良い会社というのは、仕事はすごく厳しいけど、空気はとっても優しいという事が大事だと思っています。そのやさしい空気感の中で、規律正しく仕事をする。これも相反する二つの事を同時にやり遂げるということに共通するんですけれども、それが理想の社風なんじゃないかなと思っています。