株式会社パソナ　パソナキャリアカンパニー 人材紹介事業において、業界トップクラスの実績を誇る 株式会社パソナ　パソナキャリアカンパニー カンパニープレジデント （代表者） 渡辺 尚　 (2013年2月取材)

事業

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渡辺

パソナキャリアの特徴は、一つの会社の中で人材紹介と再就職支援という２つの事業を持っていて、実は景気の裏と表、両方に対応できる事業なんです。景気の良い時には人材紹介が伸びますし、景気が悪化してくると再就職支援が伸びてくるんですね。ですからリーマンショックの時に、多くの会社が人員削減を行ったと思うのですが、人材会社の多くも大変苦しい時期だったと思います。逆に当社はその時期に増員をかけていまして、これから先はおそらく人材紹介が伸びてくると思います。景気もどんどん良くなってきていますので。

ですから景気の良い時も悪い時も過去の歴史を振り返ってみると３年は続いていないんですよ。それは波のようにやってきますので、どちらに転んでも会社の業績は大丈夫という、そういう体制を作っているのは一つの特徴なんです。

社員は人事異動が結構ありまして、人材紹介をやっていた人間が再就職支援に行ったり、再就職支援をやっていた人間が人材紹介にいったり、これは非常に似た業態ですので、そこは異動しても翌日からでも活躍できるような、そういう体制を敷いているんです。

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渡辺

今後の展開というのは、人材紹介の全国展開を私たちはやはり改めて強化を考えていきたいということと、海外に拠点をグループで３９カ所持っていまして、主に北米と中国、そして東南アジア、インドに展開していますが、そこをこれからもっと強化していけたらと思っています。

現状では現地の日系企業に対する人材紹介が中心なのですが、例えば日本と海外との人のやりとりというのは本当に増えていますので、クロスボーダーで人の動くような、人材紹介の国ごとの拠点がネットワークで連携することによって、今以上にできてくるのかなと。あと最近では単なる人材紹介だけではなくて、国ごとに現地での給与計算を立ち上げたり、あとは赴任前の研修のサービスを提供したり、というのは国ごとに宗教があったり、色々な問題があったりしますので、全く予備知識なしに行くのはとってもリスクが高いんですね。

総合商社みたいに社内にそういう教育研修が発達しているところ、充実しているところは、赴任前にきちんとした赴任前研修を行えるのですが、一部の大手を除いてそこまでを社内で作るというのは難しいんじゃないですか。ですから国ごとに習う内容も違うので、私たちのほうでたくさんの企業の赴任者を集めて、そして赴任前研修をしっかりと行って、現地でご活躍頂き、その方たちが現地で中途採用や新卒採用を行ったりする時に、私たちの現地の支店に相談に来て頂くような、そういう流れをしっかり作っていきたいと思っています。

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渡辺

今行っている「良い会社プロジェクト」をまずきちんとやりたいと思っていまして、人材会社にとって定期的に社員が辞めている会社（クライアント）というのはいつもバックオーダーが入ってきて、ある意味ありがたいお客様なんです。だけどそれは少しおかしいのではないかと思っているんです。せっかく私たちが紹介した方が、長く定着して頂けるほうが、お互いにとっていいわけで、単に企業に人を紹介して終わりというのではなく、その後その方が定着できるような、そういう社内風土作りのお手伝いを私たちはできるのではないかと思っています。

実は当社も昔は離職率が高かった時期もあり、私もとても悩んでいたんですね。結局、そこを何とかしようということで、色々な良い会社に訪問し経営者の話を聞いたり、朝礼に参加して朝一緒に掃除をやってみたりとか、色々学んだ結果、良い会社作りにも方程式があるとそれもだいぶ分かってきて、私どもも社内にそれを導入していっていますので、それを多くの会社に伝えたいというのが将来やりたいことなんです。あともう一つやりたいことは、心には法則があると。言葉や考え方通りに人は人生を送っていくという話を申し上げたのですが、人材会社として弊社を経由して転職したり再就職したりする方にそれを伝えられたらいいのではないか、とそんなことも思っています。

「この方はまた次の会社でも２〜３年で辞めざるを得ないのではないか」とか、「そういう立場になってしまうのではないか」、という方が大勢お会いするんですね。できればその方が何か気付くようなヒントの言葉でも、うちの全国の支店の社員が伝える事が出来る、そんな人材会社になれれば、それは最高ではないかと思っています。そのためにはうちの社員の人間性のレベルを今まで以上に高くしていって、そういうことまで図れるような集団を作れたらいいなと思っています。