山芳製菓株式会社 『わさビーフ』が有名な菓子製造メーカー。競合他社と一線を画した商品開発で成功 山芳製菓株式会社 代表取締役会長兼社長 山﨑 光博　 (2016年6月取材)

暗中模索からうまれた ヒット所品

聞き手

代表作であるわさビーフという商品は、会長の時代にできあがった商品だとおもいますが。其れまでの山芳製菓と言う会社の代表作はどういったものですか。

山崎

代表作は、コープブランドですね、生協さんの商品を作らさせて頂いていて、その塩味とかのり塩とか、コンソメとかそういうのを作ってましたね。

聞き手

やっぱりポテトチップス。

山崎

あとね、その頃は焼き菓子もやってました。バームクーヘンだとか、パウンドケーキみたいなものとか。

聞き手

そこから脱却しようとか、独自のオリジナル商品をつくって行くぞとって言う風にはご自身の中では思われていたんですか。

山崎

ですね。生協さんには大変お世話になったし、品質管理とかも厳しいんで。いろんなことを学ばさせてただきました。ただ新しい商品をね、開発していこうということで、考えて。投げかけて。あるいは向こうからこういうのをどうって、話があってじゃあそれを作ってみますって投げかけて。で、反応がなかなかなくてね。出してから１カ月たっても２カ月たっても。音沙汰もなくてね。３ヶ月目くらいにあれは駄目でしたって。なんだって。なんかね、暗闇というか、闇に鉄砲撃ってるというか石を投げているというかね。あいても見えないし。何をどう投げていいかも結果もよくわからないし。っているような気がしたんです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　スポット当てていかないと駄目だよなって。で、そのころ伸びていたコンビニさんにターゲットを合わせて、そこで売れる商品を作ろう。と思い始めたんですよね。不二家さんに行った時は、あそこはチョコレートとか、キャンディとか多かったんで。女子高生とか女子大生がターゲット。当たり前のように、そういうのを思ってみていたんだけど。コンビニの店頭を見ていると。女の子があまりいないなって。そのころですね。男子、高校生だとか。大学生位の人の方が多いなと。そっちにターゲットをおこう。うつしちゃった方がいいんじゃないかなって。そういう風な形で暗中模索の中で、商品の作っていったという。

聞き手

今でこそ代表的なわさビーフって商品がありますけど。それまでに行きつくまでには色んな紆余曲折があったわけですかね。

山崎

ありましたね。わさビーフが第一弾だったんだけど。その間名前もパッケージも変えてましたからね。

聞き手

わさビーフのワサビ味というか、そういうものはわりと早い時期から開発はされていたんですか。

山崎

早い時期ではないけれど。ターゲットの人達をモニタリングとかしている時に。色んな味を出している時に。わさビーフが評判がよかったんでね。最初からそんな名前じゃなかったけど。評判がよかったんで、そっちにシフトしていった。最初は鮮魚屋さんで売ったんだけど。まあまあ売れましたけど。そんなには売れなかったですね。やっぱり定番の商品は大手さんがやればいいと。うちが一緒にやったとしても、うちが発想したものでも何もないですからね。うす塩とか。そしたらうちのは量が多いですよとか。安いですよとか。そうして売るしかないんですよ。結局それはもう値段競争とかね。だからそれよりも違う土俵でやっていったほうがいいなっていうところですよね、考え方としては。

聞き手

最初はわさビーフという名前じゃななくて、アメリカンテイストって言う名前だったんですよね。

山崎

アメリカでね、ローリーズっていうローストビーフ屋さんがあったんだけど。そこに行った時に感動する位おいしかったんですね。その味を作るって。その味を作ったんだよってかっこいいけど。実際はいろいろ暗中模索の中からできていってあの時のに近いっていうふうに思ったんですね。それもあるんで、アメリカで食べた味でアメリカンテイストと。

聞き手

味としてはそんなに当時と今とは大きく変わらない。

山崎

いやこちょこちょ変えてきています。だけどその基本的な所はかわらないんですよ。味を大きく変えながら、売り上げが変わったじゃなくて。基本は変わってないですね。やっぱりパッケージとネーミングは違いますね。

聞き手

大事ですよね。

山崎

本当に大事ですよ。

聞き手

わさビーフとういう名前に変わったのは、大体できてからどれくあい。１年か１年半か。そんなレベルですね。割と早く気付かれたんですね。名前はだめだなって。

山崎

というか諦めましたもんね。さいしょは。だけど、これは駄目かなッて。でもうちの社員さんたちになかでもこれが一番おいしいと思いますとか言われたりしてね。もう１回やってみようというのでもう１ど度取り組んで、わさビーフができた。

聞き手

私たちのような大人の女性だったりとかそういうのも今はターゲットとして。

山崎

そうですね。こういったら失礼だけども、ターゲットじゃない人達にこぼれていく商品っていうのが売れる商品になっていくのかなって。お寿司屋さんに行きました。で、例えば１５歳以下の人達が、わさびを食べれない。わさび抜きでお願いしますって人達がどれくらいの割合でいるかわからないけれど。ただそんなにすごいわさびわさびじゃないんでね。ピリッとまろやかというコンセプトとうか、キャッチも付けさせて頂いているんだけど。ですから、初体験と言うかな。ファーストエクスペリエンス、そのワサビをはじめてわさビーフで食べられる用になって、おすしもワサビをいれるとこんなにおいしかったんですねって。いってくださる方もいらっしゃる。とても我々としては嬉しい話です。

聞き手

ブランド戦略といいますか。そういったものも社長はご自身でいろいろと口をだされたり。

山崎

今は全然だしてませんけど。前はこうしようああしようという中で、色んな商品を作ってきたけど。コマーシャルをするときはわさビーフに特化して、やってくるとかね。そういうことはとっても大事にしてましたね。それからそのキャラクターが１人歩きをできるようにしていくためにいろいろしてきましたね。