iHeart Japan株式会社 iPS細胞を活用した心臓の再生医療に取り組む京都大学発のバイオベンチャー iHeart Japan株式会社 代表取締役 角田 健治　 (2016年6月取材)

プロローグ

聞き手

本日は心臓医療に変わる次世代企業を目指すバイオベンチャーiheartjapan株式会社、代表取締役社長、角田健治社長にお話を伺っていきたいと思います。それでは社長宜しくお願いします。

角田

お願いします。

大学時代とＰ＆Ｇでの 重要な経験

聞き手

今は経営者としてやってらっしゃいますが、子供の頃の夢と言うのはどういったもの？

角田

私の記憶にないレベルで言うと、新幹線の運転手さんになりたいと言っていたらしいです。そこは全然覚えていなくて、そのあとは、どっちかっていうと親がこういうのになりなさいというのを反対に行きたがるような感じ。例えば医者か弁護士になれと言われるのが嫌で、医者と弁護士だけは絶対にならないでおこうと思っていたような、そんな感じです。

聞き手

そこはあまのじゃくのような感じだったんですか？

角田

そうですね。

聞き手

物ごころついてからは、将来はどういうふうに進みたいと思ってらっしゃったんですか？

角田

それは、長い間ずっと曖昧でした。お恥ずかしい話、医者か弁護士になるのはいやだと思ったらから、それらを避けて、自分が興味を持てそうな所に行こうと思って、それがバイオテクノロジーだったんで、そっちの方に行ったんですけど、将来どんな仕事をしようとかそんなことまであんまり考えてなかったですね。それを探すために大学に行くというぐらいの、はっきり言って、なめた学生ですよ。

聞き手

大学を卒業されて、ご入社をされた最初の会社と言うのがＰ＆Ｇ、こちらではどのようなお仕事をされていたんですか？

角田

洗濯の洗剤の製品開発で、プロダクトマーケディングろいう分野の仕事です。Ｐ＆Ｇという会社は、マーケティングのアクティビティを大きくブランドとプロダクトに分けているんです。ブランドというのは、どんなイメージを商品につけると売れるかというのをかんがえる。プロダクトマーケティングというのは、どんな機能、ファンクションを製品に付けると売れるかというのを考える。そういう仕事なんですね。だからブランド側は文系の人がやって、プロダクトマーケディングの方は、理系がやるというような大まかな役割分担があって、その研究開発の中では、もっともビジネス寄りのところ、ここをやっていたんですね。

聞き手

世界を代表するような会社に入社されて、商品の開発に関わっていられたわけですよね。何年位そういったお仕事をされていたんですか？

角田

２年半くらいですね。その２年半というのは、当時は何も思っていませんでしたけど、今から思うと、非常に私のビジネスマンとしてのベースを作ってくれた重要な期間だったんだなと、思います。というのも、Ｐ＆Ｇはですね、とてもいい環境で、あれはある意味、組織の作り方とか会社の経営の仕方でいうと、とても良いお手本をね、見せてもらったんだなと、あのお手本もイメージがあるから、自分がいま会社をやっていても、今は小さい会社ですけど、こういうものは導入していったほうがいいとか、こういうものを作っていかないと行けないし、人数が増えてきたらこんなのをやらないといけないんだろうなっていうのをイメージ出来るんですね。あの経験があるというのは今はとてもありがたいですね。