八海醸造株式会社/株式会社八海山 日本酒『八海山』でお馴染み。世界へ挑戦する新潟の酒造会社 八海醸造株式会社/株式会社八海山 代表取締役社長 南雲 二郎　 (2015年9月取材)

聞き手

こちらのVTRをご覧の方の中にも、ファンの方が沢山いらっしゃるのではないでしょうか。本日は、八海醸造株式会社、株式会社八海山、代表取締役の南雲次郎社長にお話伺っていきたいと思います。

それでは社長よろしくお願い致します。

角田

よろしくお願いします。

聞き手

今日は社長の経営に関するお話や、人となりにも迫っていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。

角田

よろしくお願いします。

八海醸造を継いだ経緯

聞き手

会社ができて、３００年４００年っていう所も沢山あるかと思うんですけど、今が９３年目という、この業界の中では、比較的若い会社。

角田

そうですね、比較的っていうか、相当ですね。おっしゃる通り、３００年、４００年っていう会社がだいたい普通という感じですから、私共の会社は祖父が始めた会社で、１９２２年ですから、ごくごく新しい方だと思いますね。

聞き手

生まれた時から、家は酒蔵だった訳ですよね、お酒を造っているという会社をやってらっしゃると。

角田

会社の中に住んでいるみたいなんですね。家というより、会社の中に住んでいるっていう感じですかね。

聞き手

ドラマの中でしか見た事ないような世界なんですが、実際どんな感じだったのでしょう。お家の中でお酒作ってらっしゃる。

角田

ドラマでよくやってるような、それこそ格式のある代々続いたというような神妙なああいう雰囲気はなくて、私の父が二代目ですけど、二代目のメンバーは全員３０歳前後ぐらいで、ですから相当自由にできたというような事を父は言ってましたけどね。

聞き手

では、代々続いている歴史と伝統を重んじてというような感じではなくて。

角田

そういう事ですね。

聞き手

割と、若い人の感覚で新しいものを作っていくような。

角田

どういう品質の酒を造るんだという事に邁進できたというか、例えば酒造組合だとかそういう事には、あまり関わりはなかったですから。だからやりたい方向、道に向かって自由にできたって本人も言ってましたね。

聞き手

こちらのご創業者は、伝統と格式のある業界の中に、割と後発で入られたというのは、お酒に対する何かあったんですかね。

角田

祖父は当時地主だったので、家はまた別の所にあるわけなんですけども、病院だとか、蚕を買った織物だとかいうものを誘致してきた政治的な行動をしてた人らしいんですよね。その一環として、地域の活性化という事で、酒を作るメーカーを創業したっていうことなんじゃないですかね。それから、日本酒とかアルコールが相当好きな人だったみたいです。

聞き手

好きが高じて作るところまで。

角田

好きが高じて、地域の発展にも貢献し。

聞き手

なるほど、なるほど。

角田

ええ。

聞き手

その中でご自身としては、将来この仕事を自分もやってみたいなという想いは小さい頃からおありだったんですか。

角田

うちの父は、６人兄弟の６番目で、家を継いだんじゃなくて会社だけを継いだという事もありますし、そういう事からだと思いますけど、僕は兄弟４人ですけども、３番目で、どうしても長男に継がせるとか、そういう考えはなかったみたいですね。家を継ぐというよりも、会社を継ぐような意味合いだったと思いますから、僕が特別経営の才能に長けていたという事ではなくて、好きな事をやるような教育をされたように思いますね。

ですから、私の姉は建築士になりましたし、兄は映像関係の仕事になりましたし、妹は静かな家で暮らしたいって言うので。

聞き手

お医者様と結婚されたと。

角田

ええ、僕は別にそれほどやりたいという事もなかったですし、家を継げばですね、就職活動もしなくても済みますし、それで何となく家を継ぐような感じになったという感じですね。俺はこんな醸造家になるんだというような、強い志を持って継いだわけではないですね。

聞き手

そのように、何となく自分がやるんだなというふうに思われたのが、１０代ぐらい。

角田

本当に、自分で酒屋を継ぐっていう意識になったのが、やっぱり会社に入ってからですよね。その前に、大学は醸造科だったりとか、あとは醸造試験場でお世話になっていたりして、日本酒メーカーを継ぐという意識はありましたけども、本当の意味でそれを経営していこうという意識になったのは。２５の時に会社に入ってしばらくしてからになりますね。