株式会社ムーンスター ゴム靴製造販売日本一。海外にも展開する創業140年超の老舗靴メーカー 株式会社ムーンスター 代表取締役社長 猪山 渡　 (2016年5月取材)

創業１５０年に向けての 新たな挑戦

猪山

新しいムーンスターの船出と言う準備が整いましたんで、今度は何を目標にするかということで、じゃあ１０年後の姿を描こうということで、今の既存の業務領域は少なくとも最低維持拡大。日本の履物産業、履物市場は成熟市場でですね、右肩上がりになるような成長市場じゃなくて、もちろん少子高齢化で、子供の数も人口も減るというわけですから、なかなか、それはしっかりといかにシェアを取っていくか、最低でも現状維持。願わくは若干の拡大という。それをベースにあとは、成長戦略をあげようと。我々は挑戦していくものを掲げようということで、３つ決めているんですね。
１つはお客様とのコミュニケーションの拡大なんですが、一番強いのは子供ですから、子供の専門店を作ろうということで、『Genki Kids』という子供専門店を１１０年前に始めました。横浜の港北が第一号店だったんですけど、今年の６月で丸１０周年を迎えるんですけど、今も５６店舗を全国で、そこまで拡大していったんですね。５０店舗ぐらいでお客様との接点はごくごく一部なんですけど、やっぱりムーンスターというブランドを知っていただく機会、あるいはお客様からいろんなご意見を伺う機会をえられるわけですよね。ですから、貴重なご意見を次の商品につなげるとかですね。そういったこともできますので、そういった機会をもうけながら、日々お客様との接点を強化しようということと。
もう１つは、eコマースといいますよね。いわゆるネット事業ですね。これだけインターネットが普及して、小売店さん、あるいは代理店さんもほとんどの方がネット販売かなんかをされるような状況になって、どこどこにないんですけど、近くにありますかと、なければネットでお届けしますと。お客さんとの接点作りと言うことで、はじめたんですけど、これは代理店さまを通して、ご紹介しているという以上は、気を使うというか。
２つ目が、大人シニア市場の拡大ということで、これは少子高齢化と申しましたけど、今一番業界を問わずに一番注目されている階層はアクティブシニアというお金と元気と時間をたくさん持っている方が、我々は商品構成上、どうしても子供靴が強いもんですから、大人、ユース世代から若い世代から大人に向けての商品、この構成をもう少し充実させよういうことで、その辺の新しい商品の開発をしようと言うことで力をいれていると同時に子供靴専門店ですけど、大人向けのムーンスターのショップも展開しようということで、これは今は４店舗なんですけど、ウォーキングシューズのコンセプトとした４店舗を展開しています。
それともう１つ、物作りにあわせては特に若い人たちに今は移ってますけど、メイドイン久留米という、スニーカーの町久留米をＰＲしたいということで、スニーカー発祥の地、そのスニーカー発祥の地で、作った商品がこれですと、あえてメイドイン久留米と言う風に歌っているんですけどね、このバルカナイズ商品というんですけど、こういった手作り感がある商品が今非常に人気が出始めまして、きっかけは焼き物みたいな靴というコンセプトだったんですよ。このバルカナイズ商品と言うのはちょうど焼き物の窯出しみたいな工程がありましてね。それがちょうど焼き物の窯出しのイメージと言うことで、若いデザイナーやマーチャンタイザーなんかが、商品コンセプトのビデオクリップなんかを作ったんですね。それがユーチューブなんかに流れて、それがアメリカの方に目にとまってですね、非常に興味を持って、で、焼き物みたいな靴ということで、『SHOES LIKE POTTERY』焼き物みたいな靴ですね。この頭文字をとって、ＳＬＴという商品名なんですけど、それがざっくりとしたスニーカーなんです。こういうのが非常にシンプルでいいと、手作り感があっていいということでアメリカにも注目されて、実際輸出をやっていたりするんです。それからヨーロッパにも広がっていったりしているんですけどね。
３つ目が、海外展開の拡大をしっかりやっていこうということで、いままでは外で物を作って、日本に入れて日本でうるというのが主流だったんですけど、今後はグローバルに展開していこうということで、今はアメリカそれから中国、アジアを中心にやっていますけど、今年の１月からアメリカのニュージャージー州にアメリカの販売会社を新たに設立しまして、さらにお客さんと近い位置に立ってですね、売り上げを拡大していくということで、米国会社を立ち上げて、今拡大していこうと動いているところですね。

聞き手

杉野

聞き手

杉野

聞き手

杉野