株式会社ウェザーニューズ 世界最大の気象予報会社。世界29都市に展開。800万人の個人会員も有する 株式会社ウェザーニューズ 代表取締役社長 草開 千仁  (2015年8月取材)

Vol.2 創業の経緯

インタビュー内容

創業の経緯

聞き手

この会社の創業は、非常に悲しい出来事からスタートがあるわけですよね。

草開

もう亡くなられておりますが、創業者の石橋さんがですね、1970年に彼がまだ商社にいた時代に担当しておりました船が、爆弾低気圧によって転覆事故を起こして、これは福島の小名浜沖だったんですけど、非常に残念な事に15名の船員の方が亡くなられたという、こんな事故がありまして、その時の陸上側の担当をしていたのが、創業者であります石橋さんだったんですね。

彼はこの事故を契機に、この船乗りの命を守るという事が、自分のこれからのミッションではないかと、宿命なんじゃないかというふうに考え、当時花形だった商社を辞めて、そしてその後ウェザーニューズっていう会社を創業したという、これがきっかけですね。

ウェザーニューズを立ち上げて、そして天気をベースにして、色々と展開していくプロセスの中で、一つキーワードになるのは、費用対効果だったと思うんですね。天気ですので、勿論100%の精度の情報を提供する事は出来ないので、じゃあなくてもいいのかなっていうのを、あった方がいいのかなって言うのが天気予報だと思うんですが、これだけだと、恐らくビジネス化っていうのは難しかったと思うんです。気象庁より多少精度が良いとか、気象庁とどっこいどっこいだったら、別にお金払うまでもないなと、ここに費用対効果ってキーワードが一つ入って来ると、そこで初めてビジネスになるとこういう事になるんですね。

もう少し具体的に申し上げると、例えばどんなケースでもいいんですけども、当時私達が記憶にあるんですけども、一つ陸上のサービスを行うきっかけとなったのは、今東京ドームの後楽園球場さんなんですね。あそこがまだ、ドームがない時代に、それこそ夕方のナイターで、6時から9時の間に、雨降ってもいいんですけど、3mm以上だと野球出来ないんですよ。これがあるかどうかを開門の15時までに知りたいとこういうニーズなんですね。

で、仮にウェザーニューズの情報が当たらなかったらどうするかと言うと、気象庁さんからの東京都23区晴れ時々曇り、所によって一時雨ってさあどうするんだって事を考えながらも、まずやりますかと言ってやったと、ところが時々雨の雨が後楽園に当たっちゃうと、中止になるわけですね。そうすると、用意した弁当から何から破棄になると、で、例えば一回あたりこの中止することによるコストが、100万円出たとしますよね、こういうのを1か月間で何回あるんですか、でそれが、ウェザーニューズの情報使う事によって、0には出来ないかも知れないんですけど、仮に半分に出来たら、実はこれだけ分のコストをセービングが出来ますと、で、それを例えば10%の対価でウェザーニューズがサービスをすると、これが費用対効果と言う考え方。

聞き手

なるほどですね。

草開

ですので、気象庁さんがあるからとか、ちょっと精度が良いからとか、悪いからじゃなくて、ウェザーニューズの情報を使う事によって、どのぐらい自分達は売上が上がったかとか、どのぐらいコストが下がったか、で、それに見合う対価を私達が頂くっていう。こういう考え方で、この後楽園球場さんもそうですし、その後44市場まで展開しているんですけど、全ての市場にそういう考え方でアプローチしております。


経営者プロフィール

氏名 草開 千仁
役職 代表取締役社長

会社概要

社名 株式会社ウェザーニューズ
本社所在地 千葉県千葉市美浜区中瀬1-3 幕張テクノガーデン
設立 1986
業種分類 情報・通信業
代表者名 草開 千仁
従業員数 742 名
WEBサイト http://weathernews.com/index.html
事業概要 気象の観測、解析、分析、予測
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