ゼブラ株式会社 創業100年超の老舗企業。『マッキー』や『シャーボ』など次々とヒット商品を開発 ゼブラ株式会社 代表取締役社長 石川 真一  (2015年9月取材)

Vol.2 入社当時のゼブラの印象

インタビュー内容

入社当時のゼブラの印象

聞き手

長く歴史が続いてる会社で、突然入って来られたときに、何だあいつは、というような、何ていうんでしょう、軋轢のような事とかは感じられたりしませんでしたか。

石川

ありますね、ありました。凄くありますよね。
やっぱり古参の幹部にとっては、次の世代が出てきたというのは良い事だけども、果たしてどうなんだこいつはみたいな、人を見極めるみたいな所はすごくありましたね。

聞き手

でも、そこはご自身の力で乗り超えていくしかないなという、そういう感じで。

石川

そうですね、やっぱり実績上げないと中々人は認めてもらえませんから、人には。そういう意味で、早くいろんな形で実績を上げようという気持ちが凄く強かったですね。

聞き手

それまでは、いわゆる造船業ですから、何十億、何百億というような単位が動いて、大きさでいうと、とても大きな物を作ってらっしゃったのが、本当に原価十数円とか小さな物を沢山作るという、全く真逆のもの作りという所に変わられたのですが。

石川

最初はやっぱり戸惑いましたね、三井造船時に扱ってたエンジニアですから、図面とか引くんですけど、縮尺100分の1とか1000分の1とかそういう図面を書いていて。今度工場行くと図面が逆なんですよね。

聞き手

小さいから大きく。

石川

拡大3倍、拡大何倍という形で、図面見るとどうしても大きくなってしまう。小さくする発想に転換できないんですよ、これは本当に癖ですね、パッと見ると、これ何メートルぐらいかと考えてしまう。、工場自体が女性の職場なんですよね、

聞き手

そうなんですか。

石川

8割がた女性の社員ですから、工場が女性臭いというかですね。

聞き手

何かイメージと違いますね。

石川

三井造船の場合は、3000人位いて、女性が100人いるかいないかでしたから、真逆ですごく戸惑いましたね。

聞き手

実際に入社されてまずは工場でっていうので、社員として、会社というのを内側からご覧になった時に、その当時の経営の状態というのはいかがだったのでしょうか。

石川

そうですね、会社全般の状況っていうのはその当時入ったばかりでよく分からなかったんですけど、工場自体はいい意味では和やか、悪い意味ではヌルヌルっていうのは感じましたね。

やっぱり前の会社だとこんな甘くないなっていうかですね、とにかくミスすると命に関わる仕事ですから、みんなピリピリしてたし、そう意味で、ゼブラの工場は入ったらみんな和気あいあい、笑い声も聞こえるし、その反面厳しさが足りないっていうのを感じましたね。

聞き手

多少売り上げが上がらなくても、在庫を抱えようとも、まあ潰れる事はないんじゃないかこれという老舗で起こりがちなケースと伺いますけど、そういう空気感というのは。

石川

ありましたね、とにかく物がいっぱいあって、今在庫とおっしゃいましたけど、そうですね、工場の半分以上の在庫スペースみたいな感じでですね、ですから見るからに無駄っていうのがよく分かりましたね。

体質がとにかくお客様に迷惑を掛けるなっていう親父の一番の大きな地面でしたから、ですから在庫をいっぱい持たないといけないと思っていたんですよね、とにかく欠品とかするのは駄目だと、だから無駄でもいっぱい持っとけと。

聞き手

多少作り過ぎてもある方が良いという。

石川

はい、そういう感覚でしたから、顧客志向というのは徹底していたのですが、変な所で徹底してしまって。理念はいいんですけど、やり方がちょっと違う。


経営者プロフィール

氏名 石川 真一
役職 代表取締役社長
生年月日 1951年11月10日

会社概要

社名 ゼブラ株式会社
本社所在地 東京都新宿区東五軒町2-9
業種分類 その他製品
代表者名 石川 真一
従業員数 861 名
WEBサイト http://www.zebra.co.jp/
事業概要 ボールペン・シャープ・マーカーなど各種筆記具の開発・製造・販売
社長動画一覧に戻る