Vol.1 歴史
インタビュー内容
歴史
出雲
バングラデシュに行きまして、栄養が本当に足りてない、4人中1人は栄養失調なんですね。
こういう問題を初めての海外で目の当たりにし、栄養のある食べ物をバングラデシュに持っていって、バングラデシュに植えて、みんなが元気になったら、これはもう絶対に楽しいな、もう本当にそれだけなんです。
栄養満点な食べ物がないとダメだと。人間が生活するのに必要な栄養素が全部入っている食べ物というものが、きっとあるんだろうと思って探していたんです。
そういうものを探すのであれば、やはり農学部が一番いいだろうということで、農学部にいくんですけど、びっくりするくらいないんです、そんな物は。
植物というのは植物の栄養素、動物というのは動物の栄養素を作るわけですから、そんな栄養満点の食べ物というのは、なかなかないなと思っていた時に、パッとミドリムシと会ってですね、「ミドリムシは全部の要素があります」と。
ミドリムシをバングラデシュに持っていけば解決する。
では、それをやりましょうという話に当然なるんですけれども、ミドリムシというのは培養できないんだと。
本当にショックで、せっかく栄養満点の食べ物と巡り会ったのに、社会にはデビューできない、培養できないと聞いて、それ以来、絶対ミドリムシをやろうというのは20歳の時に決めました。
出雲
決めたんですけれど、一向に培養できないんですね。ミドリムシを増やしていると、いろんなバクテリアやいろんなプランクトンや、とにかくいろんなものがミドリムシを食べにくるんです。
で、ミドリムシが増えない。もう全く手がかりもなくてですね、やっぱりミドリムシは難しいと思いまして、私は銀行に入りまして、将来もう一回再チャレンジするぞと、その時まで自分もいろいろ勉強してですね、頑張ろうって。
いろんな大学の先生のところに、どうしたらミドリムシが培養しますか。出雲さん、ミドリムシで世界を健康にしたい、栄養失調をなくしたいっていう話は素晴らしいと思いますよと。
でもあなたは銀行員ですよね。平日は銀行という職場があって、土日に片手間でミドリムシをやってますけど、ミドリムシはそんな片手間でどうにかなるような中途半端なものではないですよと。
これは自分ももう本気でやらないといけないと。で、銀行を辞めまして、「ええ! 本当に辞めたんですか?」と。じゃあ、あまりに可哀想だから、ミドリムシというのは実はこういう生き物で、こういう風に培養すると、ここまではできたんですよっていう、いろんなことを先生方が教えてくださってですね。
2005年にもう、いよいよできそうだと。
とはいえ、ミドリムシを大学の外で育てるためには、大きいタンクや大きいプールや、そういう巨大な施設が必要なんですけど、それは個人では借りられないんですよ。
法人の名義が必要になって、会社を設立したんです。
その後ようやくミドリムシが、プールを借りてですね、石垣島で作れるようになったと。
もういろんな人に応援していただいて、サポートしていただいて、なんとか途中で辞めずに済んだというのが正直なところですね。
経営者プロフィール
| 氏名 | 出雲 充 |
|---|---|
| 役職 | 代表取締役 |
| 生年月日 | 1980年1月17日 |
| 出身地 | 広島県 |
| 出身校 | 東京大学 |
| 座右の銘 | 昨日の不可能を今日可能にする ロケット工学の父、ツィオルコフスキーの銘を参考にしました。 |
| 愛読書 | 『ロケットボーイズ』 ホーマー・ヒッカム・ジュニア |
会社概要
| 社名 | 株式会社ユーグレナ |
|---|---|
| 本社所在地 | 東京都港区芝5-33-1 森永プラザビル22F |
| 設立 | 2005 |
| 業種分類 | 食料品、飲料・たばこ・飼料製造業 |
| 代表者名 | 出雲 充 |
| 従業員数 | 162 名 |
| WEBサイト | http://www.euglena.jp/ |
| 事業概要 | 1.ユーグレナ等の微細藻類の研究開発、生産 2.ユーグレナ等の微細藻類の食品、化粧品の製造、販売 3.ユーグレナ等の微細藻類のバイオ燃料技術開発、環境関連技術開発 4.バイオテクノロジー関連ビジネスの事業開発、投資等 |