かゆい所に手が届く、多様なニーズへの対応力
アロバの映像解析サービスは、クライアントのマーケティング・リサーチの一助を担っている。トップを走り続けるために、どのようなことを大切にされていますか?
白砂 晃:
当社のシェアが伸びた背景として、監視カメラのメーカーがソフトウェアをアップデートし続けていくのはコスト面などでも大変なため、ソフトウェアのみを提供している企業から導入するという考え方が広まってきました。
市場自体はどんどん拡大しており、ハードウェアはどんどん安くなっていくため、ソフトウェアはそのニーズの多様化に対応していくことが大切です。
我々ベンチャー企業は、いかにお客様ごとのニーズをくみ取り、いかに早くそれに対応していくかがカギです。当社では技術者がどんどん開発し、すぐに製品化します。そのスピードが重要で、しかもそれを安価にご提供できれば他との差別化も図れます。
お客様のニーズはどのように多様化してきているのでしょうか?
白砂 晃:
分かりやすいところで言うと、監視カメラの導入によって「犯罪が起きないようにしたい」「映像の分析により売上を上げたい」などのご要望があります。
売上を上げるための方法としては、監視カメラは秒あたり何コマかの写真の連続で構成されていますが、その一コマずつを解析することで、さまざまなことが見えてきます。例えば小売店の監視カメラでは、この地域・この時間帯では、どの年齢層のどの性別の方が多いなどが分かります。それらの情報を解析し、マーケティングに活用していきます。
社風はベンチャーでありながらも落ち着いた雰囲気
御社の経営方針についてお聞かせください。
白砂 晃:
スピードと、常に業界内で先頭を走るということを大切にしています。市場が出来上がってくると、やはりそれを牽引し続けたい。そのためには、自分たちの戦える場所がどこかを認識しておく必要があります。巨大企業ができていない部分を探して、攻めていくことですね。より早く技術ギャップを見つけていくことで、どんどんビジネスチャンスは生まれます。
社員とは3ヶ月に一度面談を実施。社員一人ひとりが輝けるような職場づくりを目指している。また人材の「材」は財産の「財」だと考えています。社員には、より人生が豊かになるように生きてほしいですね。まず一人ひとりが輝かないと、他者を幸せにはできません。社会を良くするためにも、まず個人の幸せ度が重要です。働くのは辛い部分も多くありますので、個人がその現実と向き合いながら、会社とベクトルを合わせて運営していくことを目指しています。
御社では何か特徴的な取り組みをされていますか?
白砂 晃:
社員会を月1回開いて、各部門から進捗状況などの報告をしていますね。あとは「四半期レビュー」ですね。目標管理制度で、個人が何を成し遂げたいかを決め、3カ月ごとに面談するという取り組みです。やはり自分が動きたいと思わないと実践できませんので、その内容と会社のベクトルを合わせるようベンチャーならではの柔軟性をもって進めています。ベンチャー企業でもだいたいレビューは半年ごとですので、それだけ当社は進化のスピードが速いということです。
また、採用については、技術者は技術力と、当社で幸せになれるかという点を考慮して選びますが、営業部門では、地頭の良さよりも性格の良さを重視します。明るさと向上心があるかが大切で、ミドル世代の営業マンが多い中で、何かを変えられるようなパワーを持っていることを重視しています。
グローバルに人に寄り添い、未来を見据える
社内での打ち合わせ風景。アロバでは個人ではなくチームでの成果にこだわる。これから力を入れていきたいことは何でしょうか?
白砂 晃:
皆がプロ意識をもって、チームで動くことですね。これまでは個人で動くことが多かったため、一人ではできない仕事、チームでしか出せない成果を求めます。その仕事を通じて変わっていくということを今は重視しています。
また成果を出す上でも、数字が先に走ってはいけないと考えています。先にあるべきは自分たちがどうありたいかなどのポリシーです。数字だけを優先すると良くない方向に進むこともありますので。もちろんプロである以上数字は必要ですが、当社では個人の幸せと数字の両方が得られるようにしていきたいです。